Google広告

類似オーディエンス廃止後、Google広告で既存顧客データを新規獲得に活かす方法

そもそも「類似オーディエンス」はもう無い

「既存顧客と似た人に広告を配信する」ための機能として知られていた類似オーディエンス(類似セグメント)は、2023年にサポートが終了しています。サードパーティCookieの利用制限が進んだことで、この機能を支えていた仕組み自体が使えなくなったためです。

以前ご紹介したEC事例でも「既存顧客リストを活用した」施策が改善の柱になっていましたが、今のGoogle広告で同じことをやろうとすると、当時とはやり方が変わっています。この記事では、2026年時点で実際にどう設定すればいいのかを整理しました。

今、既存顧客データを活かす2つの使い方

既存顧客データ(カスタマーマッチ)の使い道は、大きく2つに分かれます。

1. 除外設定:新規獲得キャンペーンから外す

新規顧客獲得を目的としたキャンペーンから、既存顧客を除外する設定です。すでに購入・契約済みの相手に新規獲得用の広告費を使ってしまう無駄を防げます。この使い方は今も変わらず有効で、設定もシンプルです。

2. シグナルとして渡す:AIに「良い顧客」の特徴を教える

ここが以前と大きく変わった部分です。以前は「既存顧客に似たリスト」を作って、それをターゲティングの対象にしていました。今は、既存顧客リストを「シグナル」としてキャンペーンに渡し、Google側のAIがそれを手がかりに、似た特徴を持つユーザーを自動的に探しにいく仕組みに変わっています。手動でリストを作る作業自体が無くなった、というのが一番の違いです。

カスタマーマッチの設定方法

既存顧客データを使うための土台となるのが「カスタマーマッチ」です。管理画面の「オーディエンスマネージャー」から設定します。

  • アップロード方法:メールアドレス・電話番号(国番号付き)・氏名・郵便番号などをCSV形式で手動アップロードするか、Salesforce・HubSpotなどのCRMツールと連携して自動同期する方法があります
  • リストの質:できるだけ購入・成約済みの顧客や、LTVの高い顧客に絞ったリストを用意する方が、AIに渡すシグナルの質が上がります

キャンペーンタイプ別、代替機能の使い分け

「シグナルとして渡した後、AIが具体的に何を使って似たユーザーを探すか」は、キャンペーンの種類によって呼び方が変わります。

  • 検索・ショッピングキャンペーン:スマート自動入札(目標CPA・目標ROASなど)が、コンバージョンシグナルをもとに似た特徴を持つユーザーへの入札を強めます
  • ディスプレイ・デマンドジェネレーション・動画アクションキャンペーン:最適化されたターゲティングが、設定したオーディエンスの枠を超えて、成果の見込めるユーザーに自動で配信を広げます
  • デマンドジェネレーションキャンペーンのみ:類似セグメントという名称の機能がまだ残っていますが、2026年中にAIによる「提案モード」への移行が進んでおり、以前のような固定的なリストではなくなっています

AIの学習を早めるための実務ポイント

これらの自動化機能は、ある程度のコンバージョンデータが蓄積されるまで学習期間が必要です。目安として、コンバージョン数が安定して積み上がるまで最低2週間程度は様子を見る必要があります。学習中に頻繁に設定を変更すると、その都度学習がリセットされてしまうため、変更後は一定期間触らずに待つことも大切です。

また、クリエイティブ(広告文・画像・動画)の種類を複数用意しておくことも、AIが学習しやすくなる一因になります。

まとめ

類似オーディエンスという「作る」機能は無くなりましたが、既存顧客データそのものの価値が下がったわけではありません。むしろカスタマーマッチを通じて質の高いシグナルをAIに渡せるかどうかが、今のGoogle広告の成果を左右します。設定自体は難しくありませんが、キャンペーンタイプごとの使い分けや、リストの質の見極めは実務での勘所が必要な部分です。同じ考え方はMeta広告にも当てはまります。既存顧客データの活用とあわせて、サイト訪問者に再アプローチするリターゲティング広告を組み合わせると、新規・既存それぞれのフェーズに応じた広告設計がしやすくなります。他の媒体との使い分けはWeb広告媒体の選び方まとめ、優良顧客を見極める考え方はLTV(顧客生涯価値)の記事もご覧ください。自社の設定が今の仕組みに合っているか不安な方は、無料の広告アカウント診断で確認してみませんか。

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