お客様の課題・背景
今回ご紹介するのは、法律相談(債務整理)を扱う事務所様の事例です。月間広告費500〜600万円規模と、これまでご紹介した事例の中でも特に大きなアカウントで、Google検索連動型広告(リスティング広告)を中心に、問い合わせ獲得(最終的な受任や売上の最大化)を目的に運用していました。
着任時点での運用は、「問い合わせが発生したかどうか」を成果指標としてキーワードごとの入札・予算配分を判断するオーソドックスなものでした。ただこの方法だと、「問い合わせは来るが受任にはあまり繋がらないキーワード」と「問い合わせ数は多くなくても受任に繋がりやすいキーワード」を区別できておらず、広告費の配分が本当に売上に貢献しているキーワードに向いているとは言い切れない状態でした。
| 業種 | 法律相談(債務整理) |
|---|---|
| 広告目的 | 問い合わせ獲得(受任前提) |
| 実施媒体 | 検索連動型広告(リスティング広告)中心 |
| 予算規模 | 月間広告費 500〜600万円 |
| KPI | ROAS |
| 成果 | 目標200% → 実績350%(目標比+75%) |
実施した施策:問い合わせ1件ごとのデータ分析
今回の改善で行ったのは、新しい広告手法を追加することではなく、すでに発生している問い合わせのデータを1件ずつ丁寧に見ていくことでした。
1. 問い合わせ単位でのデータ取得
入ってきた問い合わせ(今回のケースでは月間150〜200件前後)を1件ごとに、以下の項目で記録しました。
- どのキーワードから流入した問い合わせか
- 問い合わせ経路(電話かメールか)
- アポイントに繋がったかどうか
- 受任(成約)に繋がったかどうか
- 受任に繋がった場合、いくらの売上になったか
広告管理画面上の「コンバージョン数」は、あくまで「問い合わせが発生した数」でしかありません。CPAやCVRの数値上は同じ「1件」でも、そこで止まってしまうと、実際にビジネスの売上に貢献しているかどうかは見えないままです。
2. キーワード単位で受任率・売上貢献度を算出し、予算配分に反映
1件ずつ記録したデータをキーワードごとに集計すると、「問い合わせ数は多いが受任率が低いキーワード」と「問い合わせ数は少ないが受任率・売上貢献度が高いキーワード」がはっきり分かれました。前者への配分を抑え、後者に予算を寄せる形で入札・予算配分を見直しました。
広告のコンバージョン数だけを見て運用していると、こうした違いには気づけません。件数としては同じ「1コンバージョン」でも、その先で受任に繋がるかどうかはキーワードによって大きく異なるためです。
施策後の成果
この分析と予算配分の見直しにより、ROASは目標の200%に対して実績350%まで改善しました(目標比+75%)。新しい広告手法を追加したわけではなく、すでに手元にあった問い合わせという「アナログな情報」を構造化して活用したことが、最も大きな改善要因でした。
これは法律相談に限った話ではなく、BtoBの資料請求や不動産の来場予約など、「問い合わせ後に人の手で商談・成約に至る」タイプの広告運用すべてに当てはまる考え方です。広告管理画面のコンバージョン数だけで運用を判断している場合、同じような改善余地が眠っている可能性があります(ECサイトの既存顧客データを活用した改善事例もあわせてご覧ください)。
株式会社Shiroitoでは、実際に手を動かして運用してきた実務者本人が、貴社の広告アカウントを直接確認します。「問い合わせは来ているが、本当に儲かっているキーワードが分からない」という方は、まず無料の広告アカウント診断で、今のデータの活用状況を確認してみませんか。
まとめ
ROAS改善のヒントは、新しい施策よりも「すでに手元にあるデータをどこまで細かく見られているか」にあることが多いです。問い合わせ後の受任率・売上まで含めてキーワード単位で把握できているか、一度見直してみることをおすすめします(同じ考え方でオンライン講座のリスト獲得を改善した事例もあわせてご覧ください)。優先すべきキーワードへの予算配分を考える際は、インプレッションシェアの考え方もあわせて参考にしてください。

